大隅俊平刀匠の日本刀の鍛錬や制作には、およそ30点くらいの道具が使われます。 当美術館に展示してあるそれらの道具は、すべて大隅俊平刀匠自ら手作りした道具です。 |
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砂鉄を溶かしてつくった良質の鋼伝統的な技法によりつくられた鋼
利根川の砂鉄を溶かしたもの自家製鉄
心鉄の材料となる軟らかい鉄
江戸時代に外国から輸入した鉄
江戸時代以前の釘等の古い鉄
古鉄などを原料にしてつくった鋼
玉鋼、卸鉄を小割にしたものをそれぞれ積重ね、藁灰(わらばい)をまき、粘土を溶かした水をかけ沸し(熱し)、大槌で打ちのばし、ひとつの四角いかたまりとします。
藁灰をまき、粘土を溶かした水をかけ沸し、折り返し鍛錬を10回前後繰り返します。
※かけ沸し=鉄を溶けるまで熱すること
下鍛えした玉鋼、卸鉄等を組合せ、下鍛え同様8回前後繰り返し、皮鉄をつくります。
包丁鉄や炭素量の低い玉鋼を材料として10回前後折返し鍛錬を行い、硬度の低い心鉄をつくります。
次に、地鉄・刃鉄・皮鉄を組合せ、藁灰をまき、粘土を溶かした水をかけ、沸し、つけあわせます。
造り込み組合せをした材料に、藁灰をまき沸しながら棒状にのばします。
造り込み沸し延べしたものを、仕上げる刀の大きさにします。
素延べしたものに、熱をかけ鎚打ちをして姿を決めます。
火造りをしたものを、と鑢で削りながら姿を整えます(焼入れ前の姿)。
焼入れした刀を鍛冶押しし、姿を整え、樋をかきます。中心に鑢をかけ、目釘穴をあけ、銘を切ります(焼入れ後の姿)。
【注】焼入れは、焼刃土(耐火性粘土質のもの)を刀身にぬり、刃文を決める「土取り」をします。次に、鍛冶場を暗室にし、土取りした刀身を焼き赤らめ、焔の色合いを見て取り出し、焼入舟の中に一気に入れます。